無精子症夫と挑む不妊治療~妻記~

無精子症であることが発覚した夫と私の不妊治療記録です。ほぼ私の記録です

ついに採卵日(後半戦) 激痛!!

トイレからやっとの思いで戻ると間を空けずに

「じゃあ行きましょうか」と呼ばれ、すぐさま採卵室へ

内心ヒイヒイ言いながら点滴の台を押していると

「じゃあ両手で術衣を腰まで上げて台の上に乗ってください」と言われ

え!!針刺さってるのに両手でなんてムリムリ!と

右手で裾をたくし上げる。

すると「両手!両手よ!」とキビキビした看護師さんに言われ恐怖を感じる

無理だって!針刺さった腕曲げれないでしょうよ!

と看護師さんの言葉は無視して根性でたくし上げた。

腰をはこの位置より上に乗ってくださいね、と縦長に丸められたタオルを目印に移動

すると頭が完全に下がっている

この格好でいいの?頭下がってますよ?こんな状態でいいの?と少し下にずれると

「はい、腰は上ですよー頭も上で台から出してください」

頭に血がのぼるのでは…

 

実は私事ですが、回転恐怖症なんです。

ぐるぐる目がまわるとパニックに陥る、ややパニック障害を患っています。

普段の生活ではなんてことないんですが、階段や立体駐車場などは利用できません。

(螺旋を描いて上下するため)

ここ2年ほどで「良性発作性頭位めまい症」を2回患い、このパニックが少しの傾きで出る傾向にあります。

なので頭部の位置を水平に保つことが重要なんですが、この体制では頭ががっつり下がってしまっています。

これは大変ともはやパニック寸前。

なんとかパニックを抑えるよう落ち着こうとドキドキしていると

採卵担当の男性医師が「お薬の影響で卵巣がだいぶ腫れてますので、

今回は採卵のみで、卵子は凍結にまわしますね。いいですね」

と確認にやってきます。よく覚えてませんが、多分上記のようなことを言っていたと思います。

この状態で、そんな説明ほとんど頭に入ってきません。

台に乗る前に言ってくれと思いました。

「じゃあまず膣内洗浄していきまーす。器械入りますからねー」と言われ、覚悟

この器具…そこそこ痛いんですよね。内部に入るんで気持ち悪いし

うう…と思いながら(頭位も気になるし)耐えていました。

すると看護師さんが「じゃあ麻酔入れていきますねー」

部分麻酔と聞いていたので、てっきり膣周辺に注射で麻酔を打つのかと思いきや

思いっきり血管から入れるんですね?初めて知りました。

え…血管からということは…ドキドキが収まらないまま考えていると

「はいじゃあゆっくり深呼吸してくださーい」

落ち着こう、落ち着こうとなんとか大きく息を吸い込んでみます。

すると、吸い込んだとたん麻酔がまわってきて、目が回ってきました。

これは恐怖です。恐怖以外の何物でもありません。

看護師さんの声が遠くなるくらい効いてきたんですが、それと共に襲う激しいめまい

パニックになりそうでした。少しなっていたかもしれません。

目が回ることの恐怖で呼吸が浅くなり、せめて頭の位置を水平にしてくれー!と思うものの

既に声は出ず、ただただ回転の恐怖に耐えるだけ。

呼吸が浅いとパニックが増すことは分かっていたのですが、とにかく怖くて息が吸えないんです。

すると看護師さんが「息は大ーきくゆっくり吸ってくださーい」と追い打ちをかけます

無理です。もうこっちはパニックです。しかも声も出ません。

頭を少し動かそうとすると、動かないでくださいねーと抑えつけられました。

恐怖です。採卵ってば恐怖です。

浅い呼吸を繰り返し、ボロボロの状態で採卵スタート

最初はパニックのほうが勝ってよくわからなかったんですが

だんだん先生が採卵する度に走る激痛…

なにこれ!採卵ってめちゃくちゃ痛い!ちっともチクッとレベルじゃない!!

と叫びたいくらい痛かったです。

9個卵が確認できると言われていたので、あと5回以上はこの痛みが続くわけです。

無理…耐えられない!!3重苦!(めまい・パニック・激痛)

採る度にどんどん痛みが増します。採卵の仕組みがわからないのですが

先生が「ここもあるなー」とか言いながら器具を入れる度に、ある程度覚悟をします

でもその覚悟を上回る激痛!とにかく激痛!激痛という言葉以外ないほどの激痛!

最後のほうは痛すぎて「まだ採るの?」とか思いながら

先生が卵を採っていくたびに少し呻きながら(痛みのあまり)体が動きました。

すると2回目に動いた際看護師さんが私の肩を抑えつけにきます。

拷問です。採卵ってば拷問!!

目眩はするし、パニックで呼吸は浅いし、体の中を何かで削られるような痛みもあるし

わーっと叫びたかったです。発狂しそうでした。

ようやく採卵が終わり、先生が最後の処理をしています。

何か説明していましたが体力を消耗しすぎて覚えてません。

そこで止血のために膣内にガーゼを入れていくんですが

そのガーゼを入れている時にお尻に走る激痛

 

さらに私事ですが、痔主です。

内部の痔の痛みは年に2、3回あるかないかなんですが、

その痛みの際にはどんなポーズでもとにかく痛いほど、座ることも立つことも、体制を変えることもできないほどです

どんな時にこのお尻の激痛が起こるのか統計を取ったことはないのですが…

 

そのお尻の激痛が、今人工的に発生しています。

恐らくガーゼを詰められたことによる、内痔と呼ばれるものが神経の域まで下がったことによる痛みのようで

(上記は後日肛門科を受診した際に説明してもらいました)

一気に4重苦になりました。

ガーゼの処置が終わり、「じゃあ起きてくださーい。お部屋まで戻りますよ」と促される

起きた途端お尻に走る激痛。もう何をしても痛いから台から降りることもできません。

もう無理。これはストレッチャーで私を運んでくれー!とぐったりしていると

「はいはい立ち上がって。歩けますよね?ほらしっかり点滴台持って」

と鬼軍曹のように言われました。

私の控室が一番近いせい?ストレッチャーもあるって言ってたのに!!

何もかも説明と違います。ボロボロで。お尻の痛みとめまいの恐怖のせいで

点滴の痛みや、針が刺さっていることをすっかり忘れていました。

気づけば左手を可能な限り曲げて点滴台を押していました。

歩くだけで激痛が走るお尻。めまいでフラフラの頭、パニックで廃人のようにボロボロな私に対して

着いてくれたのは看護師さん一人。あんたらこっちの身になってみろよと叫びたかったです。

歩ける?歩けるわよね。ほらちゃんと立って。等の冷たい言葉を浴びせられながら(多分)

すごく遠く感じた自分の控室まで戻ってきました。

お尻が痛いのと、麻酔が効いた状態で頭を動かすとさらなるパニックが起きそうだったので

できれば座っていたかったのですが

体力のほうが限界でベッドになだれ込むように横になりました。

それだけで体力的には精一杯。このタイミングで一番の苦痛はお尻でした。

なのでもう1mmも移動できない状態だったのですが

「はい、もう少し奥に行ってー」と鬼軍曹のしごきは止まりません。

もう無理…と少しずつ奥に移動しましたが力尽き、

そこでやっと看護師さんに「大丈夫?」と確認されました。

やっとの思いで言葉に出たのが「めまいが…」の一言

あら気持ち悪い?吐きそう?と矢継ぎ早に聞かれますが、説明する気力もなく

頭を起こした状態に私を座らせて欲しかったのですが

「麻酔がさめるまで横になって安静にしていてくださいね」の無慈悲な一言

あまりにも髪もぐちゃぐちゃな状態で人形のように横たわる私に異常を感じたのか

「まだめまいします?何か持病があるんですか?」と聞かれ

ようやく「回転恐怖症で、めまいが起こるとパニックになるんです」と説明できました。

頭を下げたところから始まって…と言うと

「頭はね、呼吸を確保するために下げておかなきゃいけないのよ」と鬼軍曹

その状態で麻酔が入って、麻酔が効き始めた瞬間にめまいが…

そこまで言ったところで、看護師さんがちょっと待っててね。とティッシュを持ってきてくれました。

気付かなかったのですが、涙を流していました。

パニックのおかげで感情のコントロールができないようです。

少し落ち着いたので自分の症状について説明し、

麻酔が初めてだったのもあるので恐怖でめまいが悪化したのかも。と話しました

安静にね。と看護師さんが去った後、どうにか体制を立て直そうとしてみましたが

お尻の激痛がそれを許しません

声にならない声が何度も出るだけで、まったく姿勢を変えられませんでした。

打ち捨てられた人形のような体制のまま横たわっていると、別の看護師さんが様子を見にやってきました。

また何か持病があるのかと聞かれたためめまい症について説明。

麻酔が~と話すと「麻酔は効き方が人によるからね~

一瞬で眠っちゃう人もいれば、フワフワした感じが続く人もいるし」と言われました。

じゃあ私は麻酔をすると毎回目が回るのか?コワイ…手術とかしたくない…

さすがに話しながらこの体制はよろしくないな、と姿勢を変えようとしましたがやっぱり激痛

看護師さんが去ってから、ようやく覚悟を決めてエイヤッと向きを変えて仰向けになりました。

お尻はもれなく激痛です。もう二度と動きたくないほどの痛みです。

このままゆっくりしていよう…と思ったのも束の間

だんだん気分が悪くなってきました。

と、どんどん吐き気が増してきて、死んじゃうかも!ナニコレ!と新たな恐怖に

再度さっきの看護師さんがやってきて「吐き気とかないですかー?」と聞いてきたので

「すごく気分が悪くてムカムカします」と申告

吐きそうなくらい?吐きます?と言われたけど

お尻が痛いので動けない…「吐きそうな気分の悪さなんですが、吐くのもしんどい感じです」

(吐くのも体力使うし、気分悪い時にはあまり動きたくない。お尻もあるし)

とりあえず、そのまま横になっているしかありませんでした。

どうしても吐きたい時は横のトレイ使ってね、と

本当に気持ちが悪くて気を失いそうでした。失神しちゃえばいっそ楽だったのに

どうやら点滴で入れている薬の副作用で気分悪くなる人がいるみたいです(私)

他の人はとても静かに終わりの時を待っていたのに、

多分こんなに騒いだのは私だけだと思います。

他の控室の静かなこと…採卵の前に聞いた別室女性の弱々しい声も、ここまではなかったと思います。

 

しばらくすると看護師さんがやって来て「気分どうですか?まだ吐き気しますか?」

さっきよりはマシになったので「だいぶラクです」と答え

「じゃあそろそろガーゼ取りに行きましょうか」と運動を強いられました。

お尻がこんな状態で…動けない!でもガーゼ取らないと帰れない!

やっとの思いで立ち上がり、トイレまで

「ガーゼだいぶ長いのが入ってますので、ゆっくり抜いてくださいね

勢いよく抜くとまた出血したり、ショックで〇〇になったりするから」

(何と言っていたか忘れました。なんか怖いこと言ってた記憶があります)

ゆっくりゆっくり点滴台を押しながらトイレへ。

中腰でそろそろガーゼを抜いていくと、途中で激痛が!

たぶん痔が神経のとこまで降りてきてる部分に当たってしまっているんだと思います。

それのせいで痛すぎてガーゼが抜けない!

でもガーゼはだいぶ長いと聞いていたのに、まだハチマキの長さほども抜けていません。

ちょっと引っ張っても痛い!と激痛

あまりの痛みにさすがに声が出ました。痛い!いててて!

でも抜かないことにはこの個室から脱出できないので、

本当に涙を流しながら(ダメって言われたけど)一気に引き抜きました。

と思ったらすんごいガーゼが長くて引っ張っても引っ張っても全部とれません。

どんだけ詰めるんじゃーーーーー!!と引っ張っていくと、ようやく終着点へ

ガーゼには鮮血が着いていました。生理の血とは明らかに違います。

外で待っていた看護師さんに「大丈夫でした?」と聞かれ(多分痛い痛いが聞こえていた様子)

はい、と答えるしかない試合後。

血の状態を聞かれましたが初めてなのでよくわからず。いっぱいついてました、と答えると

ガーゼが真っ赤に染まるくらい?と聞かれ、そんなにはないです。と

ガーゼについてるくらいだったら大丈夫だそうです。

どのくらいか不明ですが、染まらなければオッケーと。

その後ナプキンをして、点滴が終わったら終了ですとも説明がありました。

点滴はまだ少し時間がありそうでしたが、さすがに横になる体力はなく

これから立ち上がり、着替えて帰ることを思えばと座ることを選びました。

正直まだ吐き気があったしぼんやりしていたので横になりたかったのですが

お尻がそれを許しませんでした。。。

 

点滴がようやく終わり、そのころには吐き気も収まり

フラフラもだいぶマシになっていました。

着替えてから培養士さんの説明があるので、そのままお待ちくださいと言われ待っていると

カルテ片手に培養士さん登場。

体調の確認のあと、今回採卵で14個取れたと説明がありました。

そんなにあったの!ていうか、そんな回数痛みに耐えたんだ私…

「先生からも説明あったと思いますが、今回初めてということで卵巣がだいぶ腫れていますので

採卵した卵は凍結にまわして、次回以降移植となります。

あと今回精子を持って来ていただいたんですが、動いている精子はいましたが

数が少なかったので凍結していた精子も使わせて頂きますね」と説明が

凍結しといてよかったーと思った瞬間でした。

だってこれだけ痛い思いしたのに、精子が少なくて…と言われたら泣くに泣けない。

その他諸々説明があり、翌日受精卵の確認のためにお電話ください。と培養士さんとの話は終了

その後階下でお支払い…

受精卵を凍結できた際は+で支払いが生じるため、この日支払ったのは

注射+内診+血液検査等+採卵で、合計26万円強でした。

次回1週間後に内診があるので、その際に受精卵凍結できた分の支払いがあります。と説明がありました。

私はめまいの後遺症と気分の悪さがあったため、センターを後にしたのは15:30頃でした

5時間もいたんだ…

 

正直、不妊治療で一番辛いのは採卵です。

それまでの注射なんて(筋肉注射は痛かったけど)採卵に比べればカワイイもんです。

お腹の張りが限界だったのですが、採卵終わってももちろん当日なので張りは引かず

痛くてずっと横になってました。

帰宅した夫に採卵の苦しみを懇々と説明すると

麻酔が効かなかったら「効きません!」と言えば追加してくれるんだそうです。

知らなかった!でもあの状態で追加したらどうなるんだろう。一定量超えれば眠ってしまうのかな?

そして、麻酔が効かなかったのは事前に申告した体重を過少報告していたせいだと指摘が…

ギクリ

確かに3~4kg少な目に書きました(乙女心)

あとは前日の睡眠不足でめまいが起きたんだろう、と

 ちなみに点滴されていた腕、21時くらいに確認したらこんなことになってました。

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これ見ただけで失神しそうだった。

私が特別内出血しやすいってことはないと思うけど?

そういえば採血の後も、何も左腕で物持ったりしてないのに内出血してたな…


あと数回は経験するであろう採卵。

そのための経験であったと捉える…

には少しハード過ぎました。

とりあえずお腹イタイ。非常にイタイ。そしてお尻もイタイ。

次回ステップに進む前に、まずは痔を治さねば